現在、再生医療技術は凄まじい進化の中にありますが、一方でその実用化には再生医療を安全に効率良く行うための適切な細胞の選択や治療効果の検証が求められています。このことから、当社では組織・細胞を用いた再生医療等の研究開発を行い社会に提供してまいります。
医療施設、学術機関、企業、官との連携により、再生医療等の実用化、普及を目指し、人々の健康長寿社会の具現化に役立つ医療・健康サービスを社会に提供いたします。
歯の神経である歯髄組織から採取される細胞は、歯牙硬組織の中心に位置し、外的環境から直接暴露される可能性が少なく、外的要因などで遺伝子の損傷が起こり難いことから再生医療に理想的な細胞と期待されております。既に近年の研究により歯髄組織由来細胞からiPS細胞の樹立に成功し、その作製効率が極めて高いこと等が確認されております。また、歯髄組織由来細胞自体が増殖し分化可能であり、再生が期待できる組織には骨、神経、歯牙組織等が挙げられ、再生医療への実用化が期待できる領域には、整形外科領域(骨折等の骨修復等)及び神経疾患領域(脊髄損傷等)、歯科領域(歯周組織や顎骨の再建)などが想定されます。現時点では、iPS細胞は樹立や分化に時間がかかり、移植後にガン化する可能性も払拭されていない等のことから、抜去した歯牙に含まれる歯髄組織由来細胞は再生医療の実用化に向け有用な細胞である可能性が高いと期待されております。 また、iPS細胞の応用範囲は、創薬における安全性・薬効評価試験、さらにヒト疾患モデル細胞の創出などの分野へも応用可能であり、歯髄組織由来の細胞から効率よく良質なiPS細胞が確保されれば、これを用いて再生医療や難知疾患、創薬などの研究を飛躍的に進展できる可能性があると考えられております。
当社では、この歯髄組織・細胞についての研究を鶴見大学(神奈川)等研究機関と連携して行い、研究成果を広く社会へ還元してまいります。